安城の七夕まつり

市民に愛されるお祭り

大きな七夕飾りのイメージ

愛知県にある安城市では毎年夏に安城七夕まつりが開催されます。
七夕のシーズンからは少し遅れていますが、安城市では毎年8月の初旬の週末に「安城七夕まつり」というお祭りが開かれています。 第一金曜日から3日間に渡り続けられるこのお祭りは安城市民だけでなく隣の岡崎市民や西尾市民も多くやってきますし、愛知県内の若者の100人に1人は参加しているほど盛り上がっている行事です。
期間中は連日午前10時から約12時間も継続される安城七夕まつりですが、どこでやっているかというと主にJRの安城駅から名鉄南安城駅付近の広範囲にわたります。 この広場でやっています、なんとか公園で開催します、というようにはっきりと狭い範囲で指定されてはおらず、商店街を丸ごと会場として利用しております。 なので会場に駆けつけようと電車に乗って馳せ参じようとするなら、JRの東海道本線を使い、安城駅で下車すればもう会場は目の前です。
では長い歴史のあるこのお祭りはいつからどうやって始まったのでしょうか。
最初の安城七夕まつりは昭和29年に行われたそうですが、それまでも小規模な催しはちょくちょく開かれていました。
以前から花火大会などで盛り上がりをみせてはいましたが、安城市が誕生したのは昭和27年のことなので、「安城七夕まつり」という名称ではそれ以後の時代からしか開催はされなかったのです。 安城市が制定されてから「このお祭りをもっと大きくしようぜ、どでかい花火を打ち上げるんだみんなで!」という機運が高まり、他のおまつりを調査したり偵察をして安城という地域に相応しい企画を練っていきました。
そして数年間の構想期間を経て、ようやく昭和29年に初めての安城七夕まつりが美しく華やかに開催されたのです。
みんなで力を合わせて頑張ろう、と励ましあいながら準備を整えて当日に備えたのでしょうから、きっと関係者の皆さんは前日の夜なかなか寝付けなかったのでは、と私は当時の様子を考えてしまいます。
上手くいくか心配だ、という人もいれば楽しみでワクワクが止まらない、興奮して睡眠どころじゃないよ、と丑三つ時を過ぎても目が冴えて、夢の世界へ入り込めずに当日のことを妄想する人もきっといたでしょう。 中には「やばい、やらなきゃいけない準備を1つ忘れてた!このままだとお祭りの開催に支障があるかもしれないけどどうしよう、もう夜遅いし出かけたくないな。 お風呂に入る前ならギリギリ今日中にやろうという気になったかもしれないけど、もうパジャマに着替えちゃったし今から外出するのは気が進まないな。 心配だけど今日の所はさっさと布団に潜り込んでしまおう」と不安を抱えながらお祭り前夜を過ごされた方だっていたに違いありません。
なにしろ初めての安城七夕まつりなのですから緊張したり楽しみにしていた関係者は相当な数でしょうし、おっちょこちょいな人も少なくはなさそうですしね。 このように商店街の皆が一致団結して準備をして開催された安城七夕まつりは、なかなか好評だったようで、来年からも毎年やろうという話になりそれが現在まで半世紀以上も続いているのです。
第1回安城七夕まつりの時にはまだ小学生だった少年も今はすっかり老人になってしまっていると考えると、なかなか感慨深いものがあります。
様々な企画が盛り込まれており3日間と言う短い開催期間ですがとても内容の濃い安城七夕まつりは、地元の方だけではなく愛知県内から多くの方が遊びにいらっしゃいますし、県外からやってくるカップルもぼちぼちいるようです。 なにしろ七夕のイベントとしては日本でトップスリーに入るほど全国的に有名になりましたし、ひょっとしたら世界でも5本の指に入るのではないか、とも一部では囁かれているほど大規模なイベントに成長しました。 ですので皆さんも「安城は遠いから行かない」なんていわず、機会があったらぜひとも参加してみてください。